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Carmalita / TIM FEEHAN
火薬バカ一代 ★★★ (2023-03-02 00:04:54)
トロピカルな名曲“LEAVING FOR MAUI”を母国カナダで大ヒットさせたことで知られるエドモントン出身のAORグループFOOTLOSE(同名の青春映画とは無関係)。その中心メンバーであり、グループ解散後はデヴィッド・フォスターに才能を認められ全米デビューも飾っているシンガー/ソングライターのティム・フィーアンが、まだ駆け出し時代の’83年に地元のインディ・レーベルからリリースした2ndソロ・アルバム。
国内盤CDのリイシューを中田利樹主宰のCOOL SOUNDが手掛けていることからもお察しの通り、本作で披露されているのは、80年代らしく軽快にシンセを効かせたポップで親しみ易いAORサウンド。この手の作品は心地良く聴ける反面、刺激に乏しくいつの間にか聴き終わってしまっているボンヤリBGMにもなりがちなのですが、本作はティムの溌剌とした歌いっぷりといい、バックを支える楽器陣の存在にもフォーカスした音作りといい(プロデュースは自ら担当)、かなりロック・サイドに寄った仕上がりとなっています。
無論、キャッチーに弾む①に始まり、女性Voとのデュエットによるソウルフルなバラード⑩にて幕が下りる本作の基調となるのは、スロー~ミディアム系の楽曲。されどその合間に配置された、アップテンポのリズムとポップなメロディの取り合わせが秀逸な②、G主導で突き進んでいく本編随一のハード・ナンバー⑤、哀愁のメロディがリズミカルに踊る⑧といった歯応えのある楽曲が全体の流れに起伏を生み出し、自分のようなメタル者が聴いても集中力が途切れることがありませんでしたよ。
HR/HMリスナーにとってのAOR入門盤にもお薦めできる1枚ではないでしょうか。

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