この曲を聴け!
Loving Woman ~ the History of 12hitoe / 十二単
失恋船長 ★★★ (2023-01-10 14:53:40)
まさか生きているウチに、このバンドの正式な音源が聴けるとは夢にも思いませんでした。エクスプロージョンからリリースされた幻のV.A『HEAVY METAL FORCE』に楽曲を提供、デモ音源など正式な音源を残すことなくバンドは消滅。というか、バンドをヴォーカルの藤原正紀名義に変更、そして聴きやすいミックスに変えてリリースされたのが藤原のソロ『AGAIN』である。
あちらはアナログ盤を手に入れたのだが、そっちも復刻盤が出たのに驚いた。でも十二単ほどではない。こちらは本気で驚きましたね。
そして原曲というのかアレンジの違い、そして未体験のライブ音源に興奮必至。よくぞ掘り起こしてくれましたねです。
クレジット見て驚いたのがギターが八重樫のいない時代があったり、ドラムが五十嵐公太じゃないとか、個人的にも新しい発見があり、このバンドの事を全然知らなかったんだなぁと思いましたね。
ベースが思いのほか前に出ており、自己主張を怠らないが邪魔はしない。ライブ音源が多いのだが貴重なステージの模様と高い演奏力に舌を巻き増しすね。藤原の歌声もパワフル、英国寄りの叙情派ハードサウンドと日本人的なエッセンスが濃厚な世界観を演出、なんで藤原正紀名義でリリースなんて暴挙に出たんだろう。
若者の夢を積んだ当時の関係者に苦言を呈したいですよ。歴史的な価値としても高いのだが、サウンドそのものに価値があり、ノスタルジックな思い出だけに留まらないハードサウンドに心も鷲づかみ!聴いてみたなぁと思っていたバンドだっただけに感動も一入です。
古くさいサウンドです。根暗なスタイルです。初期型ラウドネスとか好きな人には良いのですが、煌びやかで垢抜けたメタルが好きな人には勧めません。ですが、この情念タップリにジャパニーズメタルテイスト満載のサウンドは、英米から聴けないスタイルであり、日本人の感性にビンビンに迫ってきますよね。
どの曲もハイライトでした。年末からヘヴィロテです。上手い下手では語れない本気の音があります。こういうの大好きなんですよね。
クサがたまらん。今の若い人にはチョイと敷居も高そうですが、このダサカッコ良いサウンドに触れて欲しいねぇ。昭和の匂いがプンプンと漂うジャパニーズメタルの真髄を味わって欲しいねぇ。
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