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Stick It In Your Ear / PAUL LAINE
火薬バカ一代 ★★★ (2022-12-13 01:38:53)
カナダ出身の才能豊かなシンガー/ソングライター、ポール・レインが、ブルース・フェアバーン・プロデュースのもと’89年に発表した1stソロ・アルバム。
それにしても国内盤のジャケットはちょっと酷過ぎやしませんかね。インディーズのパンク・バンドならまだしも、ポールのハスキー・ボイスを軸に、フックの効いたメロディと分厚いハーモニーがモリモリに盛られた「カナダのBON JOVI」的サウンドが託された本作に対して「よっしゃ、このジャケデザインで勝負だ!」と思えた担当者は一体どういう了見の持ち主だったのか?と。
あとOPナンバー①が7分以上ある大作の割にフックに乏しく、のっけでカマしてやろうとした挙句滑っている感があるのですが、一方で素直にBON JOVI路線を演ってくれている2曲目以降は一騎当千の逸品が揃っております。様々なアイデアを盛り込んでキャッチーにまとめ上げた②、パワー・バラードのお手本のようなメロディ展開が感動を呼ぶ④、80年代にありがちな曲名からして心浮き立つ⑤、乾いた哀愁を湛えてワイルドにロックする⑨…。中でも特筆すべきは、Gのケニー・ケイオス(POKERFACEやTHE DISTANCEも良かったですね)が奏でるイントロだけで一気に惹き込まれてしまう名曲③でして、心洗われるこの美しいサビメロはメロハー愛好家なら一度はお聴き頂きたい素晴らしさですよ。
そして、ポール・レインは今もBON JOVI路線の楽曲で才能を存分に振るって活躍してくれているので、良かった良かった。DANGER DANGER、THE DEFIANTSの諸作が気に入った方なら必ずや本作もツボにハマる筈なので是非チェックを。つか国内盤の再発が先か。

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