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Chasing My Dream / PAUL SHORTINO
火薬バカ一代 ★★★ (2022-09-13 00:07:21)
ROUGH CUTTのフロントマンとして人気を博した男、ポール・ショーティノ。ROUGH CUTTのことは好きでも彼のソロ・キャリアまではフォローしていなかったのですが、若井望と組んで制作した新作が好評を呼んでると聞き及び、「そういえばポールのソロ、1枚だけ持ってたな」とCD棚を漁って引っ張り出してきたのが本作。'09年に、日本盤は今は亡きサウンドホリックからリリースされた――多分3枚目ぐらい?のソロ・アルバムです。
ポール・ショーティノといえば、その歌ウマぶりと共に「ブルージー」というキーワードが付いて回る印象で、彼を語る上で欠かせない要素でありつつも「渋めなのか、じゃあパスで」と若干リスナーの敷居を高くしている印象が無きにしも非ず。
しかし本作に関しては、プロデューサー業や、MAD MAX、CASANOVA等での活動で知られるマイケル・ヴォスを曲作りのパートナーに起用して制作されていることもあってか(レコーディングにはMAD MAX、JADED HEARTのメンバーも参加)、重厚に立ち上がるOPナンバー①を手始めに、アコギ/ピアノを活かした抒情バラード④⑫、大陸的な解放感を漂わす⑦、ヘヴィ・メタリックな疾走パートも組み込んだ⑨、爽やかな⑪等々…本編にはバラエティ豊かな楽曲が集い、モダンなアレンジも施されたサウンドは、全体的に哀愁は漂えどもブルージーな色合いは控えめな仕上がり。つっても当然皆無な筈はなく、特にポールのソウルフルな熱唱を得て熱くダイナミックに盛り上がる⑧なんて、アルバムのハイライトというべき強烈な気を放っているわけですが。
今となっては忘れられている感もある一作ですが、クオリティは高いですよ。

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