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Race the Night / BENEATH THE SURFACE
失恋船長 ★★★ (2022-05-06 17:35:05)
知る人ぞ知る幻のNWOBHMによる1st。マイナーなレーベルからの流通の為に、幾度知られることなく埋もれてしまうのだが、これが叙情派英国HM/HRマニアならば、間違いなく心を掴まれるような良質なメロディが顔を出します。フィル・モグ風味の歌声もあるためにスピードアップしたUFOに叙情性を加味したような音楽性となるのだが、今作はライブアルバムという特性もあり、そのバンドとしての荒々しい熱気も加わり実に質の高い叙情派NWOBHMへと昇華している。
この手のバンドと言えば、プレイングマンティスあたりを引き合いにされそうですが、オリジナルリリースの1986年という時代を考えると、こちらのバンドの方が上であり、いい意味での洗練性を加えた英国流儀のサウンドは、多くのマニアにとって潤いと感動を与えるでしょう。それにしても、このバンド、どうして一枚で消えたのだろう?
ツインギター編成、キーボードもありの六人編成の大所帯は、無駄のないコンパクトさと、メタルバンド特有のドラマを有しており、低予算が招いたライブアルバムでのデビューとは言え、もっと多くのNWOBHMマニアの耳に届くのではないのだろうか?

2020年にようやくDivebomb Recordsから再発盤が出た一枚、メロディアスだが、けして甘口にならないスパイスを聴かせたハードサウンドは、驚くほど透明感があり、その洗練された叙情味溢れるフレーズとロックな滾りに燃えるモノを感じるでしょう。
メロディ派にも英国マニアにもNWOBHMハンターにも勧めたい一枚ですね。

ちなみに、このバンド、元はSurfaceのRace the Night名義でアルバムをリリース。その後、アメリカで発売された時に名前が変わっています。詳しいバイオはさっぱりですが、その筋のマニアのみならず、大いに楽しめる良質な一枚です。
渡米後のトミー・マックレンドン時代のUFOをもっと英国的な叙情性で再構築したような一枚。でもこちらの方が先だから、近い音楽性で例えるなら、後期HEAVY PETTIN'とかになるのかなぁ?上手く例えが見つかりません。

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