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Eyes of the World / MACALPINE
火薬バカ一代 ★★★ (2022-04-29 01:31:29)
速弾きギタリストへのバッシングの強まりや、HR/HMシーン全体の潮流の変化等を受けて、ある者はブルーズ・ブームに乗っかり、またある者はバンド組閣に動き…といった具合に多くのソロ・ギタリスト達が路線変更を模索していた90年代初頭。「速弾き四天王」の一人として勇名を馳せたトニー・マカパインも例外ではなく、新たにパーマネントなメンバーを集めてバンド形態でレコーディングを行うと、名義もMACAPINEとよりバンドっぽく変更して、’90年に本作を発表しました。
それに合わせ音楽性の方も、テクニカルな楽器陣がバチバチ火花を散らすネオクラシカルHMから、伸びやかなVoを主役に据え、Keyがポップな彩りを加えるメロハー・サウンドへと大胆に刷新(恒例のピアノ・ソロ曲もなし)。端っこに位置取りするトニーが控えめに映り込むアー写のイメージそのままに、彼のGも歌の引き立て役に徹している印象です。
当サイトにおける獲得ポイント数が如実に物語る通り、お世辞にも高評価を得ているとは言い難い本作ですが、聴き込むほどに、いやこれが案外楽しめる出来栄えであることに気付かされるという。ポップ&キャッチーな曲調で今作における変身ぶりを聴き手に印象付けるOPナンバー①、シンガーの伸びやかな歌の上手さも光る哀愁のバラード⑥、夏の終わりをメロウに告げる⑨、ツボを押さえたギターが、(比較的)ハードな曲調の中でスパークする⑦⑪等、彼のメロディ・センスも作曲センスも、そして勿論ギター・テクニックも、くすむことなくしっかり健在であることが伝わってくる内容であることは間違いありません。
真っ先にチェックすべき代表作とは言えないまでも、顧みられることなく放置されたままになっているのは勿体なさ過ぎる1枚ですよ。

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