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A / SWEET
火薬バカ一代 ★★★ (2022-04-21 00:50:23)
80年代半ばに盛り上がった再評価の機運に乗じ復活を果たしたSWEETでしたが、その後まもなく四分五裂。一時はメンバー各自がリーダーを務める4つのSWEETが乱立するというカオスな状況を招くも(それぞれの活動時期には多少のズレあり)、アルバム・リリースまで漕ぎ着けたのは、このアンディ・スコット(G)が率いたSWEETのみでした。
本作はANDY SCOTT’S SWEET名義で’93年に発表された1stアルバムで、レコーディング・メンバーには元LIONHEART~MSGのスティーヴ・マン(B)らが名を連ねています。分裂劇の悪印象が相俟って「コレジャナイ感」を背負わされたのか、発売当時、雑誌レビューでは30点台を食らうなど評価はケチョンケチョン。でも時間を置いて冷静になってから聴き直せば、親しみ易いポップなメロディといい、ライブ映えする躍動感に満ちた曲調やコーラス・ワークといい、いやこれ全然悪い出来じゃないっすよ。
爽快感と高揚感を伴うSWEETらしさ満点のOPナンバー①を皮切りに、カヴァー曲とは思えぬハマリっぷりで疾走する②、憂いを帯びたドラマティックなバラード⑩辺りを聴けば、アンディがファンが期待する70年代SWEET像への回帰を強く意識していることは明らかであり、特に哀愁のメロディに彩られたキャッチーな⑪なんて絶品じゃありませんか。
かつて「悪魔のハーモニー」と評された空中戦の如く飛び交うボーカル・ハーモニーが控えめな点や、収録曲の出来栄えに若干ムラがあることも本作の小粒感に拍車を掛けますが、とはいえ、過小評価に晒され廃盤状態のまま放置しておくのは勿体なさ過ぎるクオリティを有した1枚であることは、断固として主張しておきたいところであります。

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