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Pieces / SAM ALEX
火薬バカ一代 ★★★ (2022-03-11 00:44:35)
詳細は不明ながら、80年代からキャリアを積んでいたというドイツ人シンガー、サム・アレックスの日本デビュー作となった'04年発表のソロ・アルバム。
日本盤帯の惹句《ヴァレンシアを想起させる美しい容貌》に関しては、ジャケ写を見る限り議論の余地がありそうですが、内容の素晴らしさに関しては満場一致をみるところではないかと。それもそのはず、本作の制作を全面バックアップしているのはボビー・アルトヴェイターその人。マニアからはCROSSFIRE~OSTROGOTHのピーター・デ・ウィント(Vo)と組んだAFFIAR等の活動を通じて高評価を得るミュージシャンです。
ただ個人的に本作を購入する大きな動機となったのはROBBY VALENTINEの名曲“THE MAGIC BLEEZE”や、ノルウェーのメロハー・バンドRETURNの楽曲のカヴァーが収録されていることに興味を惹かれたからでした。サム・アレックスご本人による選曲なのかプロデューサー・チョイスなのかはわかりませんが、どちらにせよこのセンスは買いですよ。(他にもALPHAVILLEやULTRAVOXのカヴァーも収録)
エッジの効いたギター、抒情性を増幅するKey、そして主役たるサム・アレックスのパワフルな歌声に彩られたオリジナル楽曲のツボを押さえた完成度も「流石はボビー・アルトヴェイター」な安定ぶりで、特にピアノの隠し味も効いている爽快なメロディック・ロック・チューン③は、本作の旨みが凝縮されているかのような名曲。
これ以降お名前を見聞きしませんが、お元気であれば是非アルバム・リリースをお願いしたいところであります。

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