この曲を聴け!
日本のヘビーメタル / THE 冠
失恋船長 ★★★ (2022-02-02 15:53:41)
最近は千鳥の相席食堂にも出ていました、我らが孤高のメタルヒーロー、哀愁の鋼鉄神、THE冠が2020年にリリースしたフルアルバム。現代的なテクノロジーの恩恵は受けているがオーガニックな人間力も同様にアピール、80年代から現在までのハードシーンの匂いを存分に撒き散らしながら真っ当な現代的メタルサウンドで魅了。
筋金入りのメタルファンが一般社会で生きる息苦しさを歌詞にしているのも共感性が高く、彼の唄はあらゆる世界で日陰で生きる大衆迎合できないマニアにいつでも寄り添っている。本来ロックが持っているフラストレーションの解放、そこに多大なるエンタメ性を盛り込んだのが冠サウンドと言えるだろう。少々エモい曲でもビシッと筋が通っているのは、メタル的なサウンドが核にあるからである。彼が高らかに歌うように、これが日本のヘビーメタルの進化形なのかも知れない。
彼のサウンドには一貫したモノがある、どんなに流行り物を取り込もうとも核になるのは冠が唄う哀愁のメロディ、だから大衆性を完備したサビメロにも違和感はない、結果ジャンル不問となり、これぞ冠節と言えるサウンドの確立に繋がっている。
男の哀愁をまとったメロディ、カッコ良くキメたくてもキャラがそれを許さないのだろうが、もっと評価されるべきアーティストである。可愛い女の子を集め、地獄のゆるふわなんちゃら言われても困る。
弱者目線で語られる癖の強い歌詞、その世界観を壊さないバラエティ豊かなハードサウンド、重量感たっぷりの音像とフック満載の哀愁のメロディ、キャッチーさは親しみやすさを補完しつつ、やはりワイルドでやんちゃなロックスタイルを壊さない希有な音楽性と貫いていますね。自分の音をもっているアーティストは強い。付け焼き刃のメタルコアで人は魅了されませんからね。
→同意