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Ⅲ / Niagara
火薬バカ一代 ★★ (2021-12-21 00:04:14)
こんなバンド名ですが、出身地はカナダではなくスペイン。それもかつて日本盤がテイチクからリリースされていたMANZANOや、BANZAIでフロントマンを務めていたJ.A.マンサーノ(Vo)を筆頭に、BARON ROJO、PANZERといったバンドに在籍していたメンバー達が集った、コッテコテのスパニッシュ・メタル・バンドです。
国内盤は我らがゼロ・コーポレーションから’93年にリリースされ、目出度くバンドにとってワールドワイドなデビュー作となった本作は、タイトルがズバリ表す通り彼らの3rdアルバム。スパニッシュ・メタルと聞いてこっちが期待する「巻き舌スペイン語Vo」や「鼻が曲がりそうなクサメロ」といった要素は殆ど見当たらず、裏ジャケでポーズ決めるメンバーのこじゃれたルックス(薄毛もヒゲ面もいない)といい、全編英詞で歌われ、様式美系のスピード・ナンバーから、カラッと躍動するアメリカンなノリのロック・チューンまで多彩な楽曲が揃う本編といい、何も知らずに聴いたらまずスペインのバンドとは思わないのであろう無国籍風味の仕上がりとなっています。嘗ては「スペインのBON JOVI」とも評されたそうな。
ボートラ含めて全14曲収録で1時間近いランニング・タイムゆえ、中盤ぐらいでダレを多少感じなくもないのですが、それでもフラッシーなGソロを組み込みOPナンバーに相応しい勢いで飛ばしまくる①、哀愁を帯びて後に続く②、ギターとオルガンが掛け合いを繰り広げるキャッチーな⑧、DEEP PURPLEの流れを汲むスピード・ナンバー⑪といった、「おっ」と思わされる楽曲が要所を締めてくれるので、決して退屈はしません。
バンドにとっては勝負作でしたが、残念ながら本作を最後に解散してしまった模様。

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