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Smile / TED POLEY
火薬バカ一代 ★★★ (2021-12-14 00:03:55)
目出度くDANGER DANGERのフロントマンの座へ復帰を果たしたテッド・ポーリーが、’07年にFRONTIERS RECRODSを通じてリリースした2枚目のソロ・アルバム。
DANGER DANGERからの脱退――というか解雇――後、残ったメンバーとバンド名の使用権を巡る裁判沙汰に発展…と、ファンをいたく失望させてしまった90年代の反省を踏まえ(ているのかどうかは分かりませんが、ともかく)、1stソロ『COLLATERAL DAMEGE』(’06年)以降は、かなり自らに求められている音楽性に自覚的に曲作りに取り組んでいる印象で、本作で聴けるのも、仄かに哀愁を含んだメロディ、爽やかな曲調、キャッチーなコーラスの三拍子揃った「これぞアメリカン・メロハーの真骨頂!」と膝を打つサウンドです。
OPナンバーに相応しいフックを有する①を聴けば明らかな通り、テッド自身が優れたソングライターであることに加えて、FRONTIERS RECRODS人脈からVEGAのトム&ジェームズのマーティン兄弟を始めとするソングライター陣も、彼が歌うに相応しいメロハー・ナンバーの数々を提供してくれており、となればもう完成度の高さは約束されたも同然じゃありませんか。
ライブ映え間違いなしの①、お約束のパワー・バラード⑤、個人的に一押ししたい憂いを湛えた⑦、ハード・ロッキンな曲調にフラッシーなGソロが華を添える⑧等、テッドのハート・ウォーミングな歌声が映える秀曲がズラリ揃った、DANGER DANGERのオリジナル・アルバムにも匹敵する充実の仕上がり。
すでに廃盤(国内盤含め)のため、入手困難なのが惜しまれる力作です。

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