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魔界美術館 / DAMIAN HAMADA'S CREATURES
失恋船長 ★★★ (2021-11-10 15:28:10)
前2作の好評を受け早くもリリースされた2021年の最新作。ダミアン浜田殿下の活動意欲に驚かされるのですが、その世界観に迷いはなくダミアンブランドに陰りはありません。前2作にあった濃密な世界観から今回は全体的にスッキリとしたアレンジを持ちいり今まで以上に歌が前に出る作風になっています。昔のアイデアを持ち出したリメイクアルバムと言われたらそれまでだが、どのような形であれ現ラインナップで創作した新作として十分楽しめます。
可愛らしい声質の伊舎堂さくらも、ストレートな歌唱スタイルを研磨、裏返りそうになりながらもロックな逞しさが増し今まで以上にメタルを唄うに適合しようと努力しているのも好印象、どうしても可愛い声優声というのかアイドルチックな声質は変わりようもないのだが、聴かせ方というのを身につければ、逆にこの声はバンド最大の武器になる、大福にイチゴを入れたように究極のミスマッチ感が、このダミアンワールドの妖しげな暗黒の世界の中で、囚われの天使のように美しく輝き、堕天使ルシファーの如き存在感を放つ日がくるでしょう。
演者は上手いのは間違いないのですが、どこか余所行きなのも事実。特に厳しいのがサウンドメイクである。
いかにも聴きやすい音に仕上がっているのは残念。ハイカットだし、リズムセクションも可愛そうである、ベースは聞こえないしハイアットもキックも迫力がなさ過ぎる。デジタルチックなドラムの処理をしたのは誰であろう。ギターはどこにいっという瞬間もあり、これでは歌以外脇役すぎじゃないだろうか?本格的な叙情派メタルだけに残念な気分を猛烈に味わうのだが、これは、ダミアン閣下のファンは聖飢魔IIファンが多いから許されるかも知れないが、難しい問題だと思う。地獄の大魔王ならもっとヘヴィネス成分は強めでお願いしたい。荘厳なチャーチメタルも弱なるぞ。
唄をメインに据えた魔界舞踏ロック、無駄な贅肉をそいでも十分、荘厳なチャーチメタルサウンドは健在です。これも売れコンスタントな活動に繋がることを望みます。なんだかんだ言っても好きな世界観なのでね。
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