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In Another Time / TANITH
kamiko! ★★★ (2021-10-23 14:35:58)
米国産NWOTHM2019年作
中年層より上のツボを突くと思われるHMを量産するドイツのUnderground Power Recordsというのがあるが、そのレーベル発の加Freeways、芬蘭Angel Sword
とコンピレーションCDで名を連ねたバンドがコレ。少なくとも、先に挙げた2バンドは鉄板級バンドなので、そこに肩を並べるならきっと凄いバンドだろうと
フルレングスアルバムをゲットした。但し、この盤はMetalBladeからのリリースで、NWOTHM的イメージが全く沸かないレーベルに若干不安を感じつつも
作品としては完璧に近いの内容、録音は古典的ロックを意識した必要最小限のエフェクトを志向しているが、細かい事を言えば、音量差にアンバランスさを
感じさせる箇所が散見されたり、いくら70年代的雰囲気を前面に出すからと言って、各々の楽器の最低限度の輪郭が崩れるほどの意図的な劣化はやり過ぎなのでは
と思うところがあったりと、録音面でもう一押しのクオリティアップを望まないでもない。ただ、マイカーで聴く分には少々の粗さは殆ど気にならない。
Russ Tippinsの前身Satanのドンシャリ感満載のギターに比べると、大人しめで落ち着いた雰囲気。Satanのやたら男臭い雰囲気はボクにとってはマイナスだったが
こちらはツインヴォーカルの一方が女声であり、聴いた最初はバービーボーイズかよ、と思ったが、コレがとても良い味わいになっている。
このバンドは米国産だが、70年代の雰囲気と仄かな英国情緒がある。初期Blue Oyster Cultに近い感覚がある。楽曲がとても作り込まれている上、演奏力は高く
その割にカッチリした演奏ではなく適度なラフさとグルーヴ感がある。そういう演奏とジャケイメージから、中期Uriah Heepの作風にも近い、と思わせる。
この盤を手に取る頻度はとても多く、愛聴度は結構高い。それだけ楽曲クオリティが高い。ただ、ひたすら集中して傾聴してしまうと録音の弱点に惜しいと感じる。
現時点でとても強力な盤なので、次作で難点を改善しクオリティアップすれば、歴史的名盤を作ってくれるんじゃないか、と相当期待しているバンドだ。

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