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Metal Forces / TRANCE
火薬バカ一代 ★★ (2021-10-11 23:14:22)
ACCEPTのフロントマン候補に名前が挙がったこともあったと聞くローター・アントーニの個性的なVoと、ジャーマン演歌と呼びたくなる濃い口の泣きメロを武器に、80年代初頭には(メンバー曰く)SCORPIONS、ACCEPTに次ぐ人気を誇ったという独産HMバンドTRANCE。名曲“HEAVY METAL QUEEN”のカッコ良さも未だ忘れ難い彼らが、改名や解散といった紆余曲折を経て21世紀に復活を遂げ、’21年に発表した再結成第2弾アルバムがこちら。彼らの作品の日本盤リリースはこれが初めてじゃないでしょうか?
最早オリジナル・メンバーはマーカス・バーガー(G)一人なれど、『METAL FORCES』なるコテコテなアルバム・タイトルが物語る通り、本作で炸裂するのは武骨で重厚な正統派HMサウンド。元VICIOUS RUMORSのニック・ホルマン(Vo)の堂々たる歌唱を始め、老成とは無縁のパワー漲る作風が全編に亘って貫かれており、壮大な④、エピカルなドラマ性を感じさせる⑥⑦の展開、アンセミックなアルバム表題曲⑨といった楽曲における、HELLOWEEN登場以前のジャーマンHM然としたカッコ良さは頼もしい限り。
かつての魅力だった泣きメロが大幅に減じている点は残念極まりないものの、それを補ってくれるのがボートラとして収録されている⑩の存在でして。TRANCEに改名して’78年に初めて制作したデモテープに収録されていた楽曲を発掘したらしく、塩っ辛いメロディの泣きっぷりといい、静から動へ展開していくドラマティックな曲調といい、「よっ、待ってました!」と膝を打つ逸曲でしたよ。
次回作では、出来ればこの路線の楽曲をもっと演ってくれると嬉しいなぁと。

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