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Masked by Midnight / After Dark
失恋船長 ★★★ (2021-09-13 14:14:02)
1983年にレコーディングするも世に出ることなく埋もれたNWOBHMバンドの1st。1995年にドイツのレーベルからリリースされるもあっという間に品切れ、その後マニア御用達のSKOLレーベルから500枚の限定盤が出るも現在は流通がありません。その代わりデジタル配信があるので問題はありませんが、配信盤はボートラが3曲、しかしSKOL盤はボートラ6曲となっています。マニアとしては聴きたいのですが、手に入らないものが気軽に聴けるだけで贅沢は言えませんかね。
1981年にシングルを出したときはツインギター編成にキーボードも加わる大所帯だったものの、今作はシングルギター編成に変更、キーボードは3曲のみの参加と随分と音楽性に変遷を感じますが、いかにもNWOBHM的なマイナーサウンドを展開。無頼なパワーもあるが、どちらかと言えば英国ならではの情緒といなたさ、湿り気のあるメロディ強めで何とも言えないマイナー臭が鼻腔をくすぐり、いい意味での親しみやすいキャッチーさを盛り込みマニアック度を薄めてきます。
あくまでもNWOBHMとしての比較ですので、日本のレコード会社からリリースされているメジャー商品との比較をしてはいけませんが、このバンドは朴訥としたバラード系も放り込む度量を持っており、勢い任せのバンドではありません。
マニアがこぞって探すデビューシングル盤でもそうでした。
NWOBHMらしい大胆さと繊細な英国トラッドロックからの系譜を司る叙情派スタイル、そのビシャビシャに湿る音色にグッとくるものがあります。
このクオリティなのに何故お蔵入りになったのか?そもそもキーボードは何故3曲だけなのかなど気になる事は沢山あるが、姿なき幻もバンドだけに思いを馳せても仕方がありませんが、
とにかく、英国的な情緒のある哀愁、そしてロックな歯ごたえを楽しみたい。NWOBHMマニア以外にも楽しめる要素は強く、くぐもったサウンドプロダクションすらも味方につけ伝統を継承する姿に目頭が熱くなります。
嫌いになれませんねぇ。この哀愁刑事情熱系サウンドの旨味をね。
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