この曲を聴け! 

Non Stop Rock and Roll / WIG WAM
失恋船長 ★★ (2021-08-20 13:33:02)
メタルバブルに踊らされ、その後に訪れるグランジブームの煽りを受けまくったHM/HR系アーティスト達、ふざけた感じでデビューしたが、このバンドのメンバーはポッと出の新人ではない、そういう苦労人の顔を隠すように芸名をつける事で謎めいたものとフレッシュ感を演出、リバイバルブームの火付け役ともいえる形で会心の一撃をシーンに喰わらしたバンドである。もとが80年代のサウンドをカヴァーするバンドみたいな形だっただけに、あんな形でヒットするとは思わなかったろう。今作にも、その流れは脈々と連なっている。もはや、このラジオ向け一発みたいなノリがバンドの個性であり音楽性である。どこかで聴いた事があるが、彼等にとっては専売特許になっている。
それだけに、熱くなるような瞬間は少ない。しかし、あの時代に対する認知が低ければ、追体験のような形でこのバンドの音楽性を受け入れる事が可能でしょう。
個人的には懐かしいでしかない。またフロンティアの悪い所が出たである。

北欧風味満点のメロディアスHM/HRの旨味、コンビニエンスな感覚を武器に皆が楽しめる仕様。だが全てが○○風である。打点の低く知識も浅いディススカウントロックである、でもそれが欠点ではない。それが最大のウリなんです。こういう音楽は、演者が一度でも恥ずかしい、ちょっとやり過ぎかもと疑いを持ったら終わり。このバンドは、完全に成り切りやり切っている。ここに不純はない。だからヒットしたのでしょう。
パクリを否定するのではなく飲み込ませたのはリバイバルブームのおかげ、でも息の長いバンドになるとも思わなかった。
良く練られた楽曲構成、計算されたコーラスハーモニーどれもが健康的、バラエティに富んが楽曲も嫌味なく溶け込み聴き手を魅了。容易に想像がつくレシピを題材に、彼等はライトユーザーを最大限に喜ばせている。売れるが勝ちを見事に体現しているバンドでしょう。

→同意