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Medicine Man / BLACKFOOT
火薬バカ一代 ★★★ (2021-05-17 23:36:57)
男臭くパワフルなサザン・ロック・サウンドがNWOBHMに盛り上がる英国で人気を博し、ライブの名盤『HIGHWAY SONG LIVE』爆誕へと繋がったBLACKFOOTが、LYNYRD SKYNYRDのメンバーでもあるリッキー・メドロック(Vo)を中心に、ほぼ彼のソロ・プロジェクト状態で再編され、'91年に発表した復活作。通算9作目。ボリューム的には帰還の挨拶代わりのEPといった感じではあるのですが、日本盤はボーナストラック2曲が追加収録されているのでアルバムとしての体裁は整っています。
Key奏者としてURIAH HEEPのケン・ヘンズレーをメンバーに加えた活動後期は、洗練されたメロハー色を強めていった彼らですが、本作では原点に立ち返ったようなサウンドを披露。とはいえ70年代作品のような荒々しさや埃っぽさは控えめで、言うなれば後期メロハー路線のフィルターも通してブルージーなHRサウンドをプレイしているような感じ。薄味と言えば薄味。でもそこにのっけからパワフルに歌いまくる、衰え知らずなリッキーのオヤジの哀愁背負った歌声が乗っかると「ああ、BLACKFOOTだなぁ」と猛烈に納得させられてしまうという。特に、FREEの名曲“STEALER”のカヴァー②のハマりっぷりは流石ですし、印象的なKeyリフをフィーチュアして豪快に押し出して来る④、ノリ良く跳ねる⑤、そしてアルバムのハイライトを飾る、ドラマティックだがアメリカのバンドらしい抜けの良さも兼ね備えた⑦といった逸曲から迸る熱量には圧倒されるものがありますよ。
BLACKFOOTのカタログの中では比較的地味な存在ですが、決して侮れない完成度を誇っている辺りは流石。見かけたらチェックしておいて損はない1枚です。

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