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Skylighting / AVANDRA
kamiko! ★★★ (2021-05-11 00:56:05)
プエルトリコ産プログレッシヴメタル2020年作
初期Dream Theaterの雰囲気を纏う処女作から約1年足らずで登場した2作目。ボク的にかなり期待しているバンドだが、短いスパンでの新作発表にチョイ驚きだ。
前作はなかなか難解な作品でもあり、まだ完全に消化しきれていないのに、昨年11月に新作をゲットし、難解さを乗り越えるためにワリと高い頻度で愛聴している。
前作に比べて大きな進化を遂げたとは言い難いが、かなりの力作である。楽曲の作り込み度合いが高く、なかなかスッと耳に馴染まないが高い完成度だ。
本家Dream Theaterと比較するとまだカワイソウなクオリティかも知れないが、やはり初期Dream Theaterの再来を感じさせるこの空気はたまらなくイイ。
終始霧に覆われているようなシンセと、ハーモニーを重視したウィスパーヴォイスに近いヴォーカルとコーラスにより、繊細で湿度高めな雰囲気である。
そんなスタイルだからか、ヴォーカルに力強く声を張ってほしい、ギターやドラムがトリッキーな演奏をしているのに霧の中に霞んでいるように聴こえる等
若干の不満点はある。次作で改善して欲しいと思うところだが、そんなマイナス要素を払拭するだけの演奏力と楽曲、初期Dream Theater的ギターワークといった
大きな魅力が詰まっている。前作はイチオシのキラーチューンが残念ながら無く、佳作揃いといった印象はあった。複雑な曲展開で個性を出そうとするあまり
不自然な旋律というモノが結構目立ち、キャッチーさに欠ける印象を持っていた。今作はそういう不自然さが若干改善されたと、まず感じている。
それでもなかなか耳に馴染むのに時間がかかる。旋律がスッと入ってこない間は、実は絶妙な旋律を奏でていたとしても、霧の中に紛れて伝わってこない。
曲を覚えてくると、霧の中で何かやってるだけに聴こえていたモロモロの演奏が、徐々に伝わってくる。そうなると、このサウンドの魅力から抜け出せなくなる。
今作は印象的なギターのリフ、トリッキーなリズムと淡々とした雰囲気のバランス感覚、ギターとシンセの掛け合いなど多くの魅力が詰まっててグッドだ。
ジメジメした季節を好むボクとしては、梅雨時期になるとコレばっかり聴いているかも知れないな。
→同意