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Wonderworld / URIAH HEEP
失恋船長 ★★ (2020-12-04 12:29:14)
ミック・ボックスがインタビューで答えた『辛い時代だった』そして『もっといいものが作れた』この二つの言葉がキーワードのように思える。今アルバム。最近、亡くなったケン・ヘンズレー、その訃報を聴き、彼の歴史を再度触れているのだが、やはり制御不可能な我の強さを感じさせる作風に落ち着いている。
ハッキリ言えばユーライアヒープとは、どんなバンドなのか、それが見えてこないアルバムになってしまったと言えよう。それは、今作に限ったことではない、初期の重厚かつ幻想的なスタイル、ある種の神秘的な魔力的音楽性を手放してからの迷走ぶりを象徴しているように感じる。
アメリカでの成功を念頭に作られる70年代中期からのHEEPサウンド、襲い掛かるハモンドオルガンは影を潜め、バンドとして核になるサウンドが見失った。前作よりは英国的な情緒を取り戻していたとて、フォーキーでスローなナンバーも多く、やれないのではなくヤラナイ選択をするバンドの運営に大きな問題を感じてします。
HEEPと言えばな音楽性、その顔が見えてこないのがツライと言えよう。
デビット・バイロンは器用なシンガーだ、子役上がりでCMソングも唄っていた、その器用さが、時には顔のないバンドの音楽性に拍車をかけている。その上手さが仇となる典型的なアルバムが今作であろう。
冷静に聴けばよいアルバムです。70年代的オリジナルのある創作性も感じされる。しかし、それは現在のシーンと比較しての話、時系列で聴けば、物足りなさを覚えるのが正直なところだろう。
まさにもっとやれたはずである。それは、そこかしこにHEEPらしさを感じれるからです。徹底して欲しかったなぁ。
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