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A Step Into the Waters of Forgetfulness / WOE UNTO ME
kamiko! ★★★ (2020-08-24 01:27:39)
ベラルーシ産シンフォニックドゥーム2014年作
クオリティの高いサウンドのワリに、あまり手に取ることなく長くコンテナ収納行きになっていた盤。
スーツ姿の男が首を吊るためにロープを手にしているところが鏡に映っている、というジャケ。描く世界が暗い。
しかし、特筆できる個性が多い。シンフォニックなシンセやオルガンが前面に出ていることと、アコギを多く盛り込んでいること。
ギターの歪みが適度で相当心地良く、シンセとレイヤーすることで最適な重低音を作り出していることなど、長所が非常に多い。
空間系エフェクトも完璧。更に、テルミンを使用しているかのような(実際使っているかは不明)音空間も登場。
アンビエントな音空間の作り込みが半端なく、細部まで行き届いた空気感が素晴らしい。
濃厚なデスヴォイスがメインのヴォーカルだが、声楽的な女声・男声によるコーラスワークが結構多く登場する。
そういうサウンドが緻密に作り込まれているので、真性な人生残念フューネラルドゥーム寄りの濃厚ドゥームでありながら、クラシカルな
上品さと、メランコリックさを併せ持つ。ちょっと他ではあまり聴いたことがない特殊な音楽性を秘めている。
音響的な完成度が高く、コード理論を学んでいるのかなと思わせるほど、単純なコード進行が殆ど無く、楽曲構成が相当奥深い。
超スロードゥームで上級者向けであることは間違いないが、濃さ、完成度の高さから超オススメ作品だ。
ただ、ボクはこの作品にハマるまでに結構時間を要した。根暗な首つり自殺ジャケを敬遠していたからね。

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