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Eyes of the World / MACALPINE
kamiko! ★★★ (2020-08-13 00:40:10)
米産AOR寄りメロディアスハード1990年作
ギターインスト、CABのようなフュージョンの方が馴染みがあって、ギタリスト視点だと、そっちの方が高評価なのはわかるが
Tony Macalpineは音楽の英才教育を受けているだけあって、ギターテクニックや鍵盤技巧のみならず、音楽的才能のポテンシャルが違い過ぎる。
たぶんこのヴォーカル入りのバンド形態の作品は、HR/HMブームの商業的な事情なんかもあったんだろうが、相当クオリティが高い。
クラシカルなギターはこの人の右に出る者はいない。その上、ジャズ・フュージョン畑でブイブイ言わせているだけあって、一口でクラシカルと
片付けられない多彩なコードワークが素晴らしい。この盤でも、時折見せるテンションノートを辿るギターソロが、単なるメロハーに収まらない
AOR的魅力を醸し出すのだ。クラシカルな旋律が多く占めるが、クラシカルロックが陥りやすい古典的な和声ばかりで構成される曲調には決してならない。
英才教育に裏付けられた作曲能力の高さに圧倒される。そこにハイテクニックな演奏が加わるんだから、この盤が悪いワケがナイ。他メンバーの演奏もアツい。
この盤発売当時は、あまり話題にならず、評価もあまり高くなかったと記憶している。↑でも書かれているが、B誌ってトニーマカパインのレビューは結構
辛口だったと記憶している。まあ、あの雑誌は低得点なほど素晴らしい作品が眠っているケースが多かったからなあ。
トニーは、癌を患って闘病生活をしていたみたいだが、2018年に作品をリリースしている。そのポテンシャルとテクニックは全く衰えていない。
ギターヒーローモノは殆ど買わないんですが、この人は別格なんだよ。アマゾンで買おうかどうしようか考え中に、ふとEYES OF THE WORLDを聴きたくなって
数年ぶりに聴いているが、やっぱりスゴイね、このアルバムは。

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