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ELECTRIC PENTAGRAM / LOVEBITES
Tamasa ★★★ (2020-08-03 20:47:19)
ここまで来たらもう認めざるをえない、事前の期待を大きく超えた傑作アルバム。
まさか、あの1stを超えて来るとは思わなかった。彼女たちの曲には、メタル好きの琴線に触れる要素が全てある。よくぞこの時代に、ここまで純度の高いメタルに徹して来てくれたものだと思う。

ベースは80年代オールドスクールだが、理想的な形でアップデートされている。
曲のバリエーション、細部まで見事に行き届いたアレンジ、一回り大きくなった余裕と、音楽に対する遊び心、愛情も感じられる。しかも徹頭徹尾メタルメタルメタル。
ギターはよりスリリングに。また、ソロもきっちり作曲されているので飽きる事がない。理想的なヴォーカリストasamiは、前作で意識的に抑え気味だったハイトーンも全開で、ミドルとハイのバランスが良くなり、スタイルが完成した感がある。オリジナリティも感じられるようになってきた。

それにしてもLOVEBITESは本当に曲が良い。
作曲のベースにギターだけでなく(キーボードではなく)ピアノがあるということが本作ではより鮮明になってきたように思う。
捨て曲がない…ではなく、全曲キラーチューン。この感じは1stに近いが、全体的にレベルアップしながらバリエーションも豊かになった。②⑥⑨⑫は何度聴いても鳥肌が立つ。①はシングルのオーケストラVer.もなかなか良い。また、本作の曲は非常にライブ映えもする。コロナ渦の中、このアルバムのツアーをギリギリ作品として残すことが出来たのは幸いだった。ライブ作品『FIVE OF A KIND』も本作同様、超ド級の作品である。「SWAN SONG」1曲だけでも十二分に価値がある。


メタルの世界では「女」であるということ、「邦楽」であるということ。日本の音楽界では「メタル」であるということ。彼女たちはいくつものハンデを負って戦っている。
一般に言う成功への道は近くはないのかもしれないが、何とか踏ん張ってもらいたい。このバンドを素直に良いと言えない状況は不幸だし恥ずべきだとも思う。

このアルバムの出来は素晴らしい。
メタル史に残る1枚。

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