この曲を聴け! 

2020 / VANDENBERG
kamiko! ★★★ (2020-06-07 18:13:35)
ギターヒーローモノは友人のギタリスト経由だったり、自分がダークサイドに染まる前、洋楽ビギナーの頃に結構多く聴いたが
ヴァンデンバーグ3作品は近所のCDレンタル屋からゲットした作品をカセットテープに落としてよく聴いていた。
当時のメタル誌でも名前はよく掲載されていたが、決して高評価とは言えない微妙な立ち位置だったのは、同時期の哀愁漂わせる
ギターヒーローに比べると、北欧情緒的な哀愁は一枚落ちるし、WhitesnakeでもどちらかというとSteve Vaiに取って代わられた感が
あるからなのかな、とは思う。そもそもヴァンデンバーグのギターは英国的なイメージが無く、哀愁はあってもどちらかというと
北欧人でありながら米国的なイメージをボクは持っていたと思う。だから濃厚な北欧情緒のギターを期待すると一枚落ちる印象を持ちがち。
ならば米国的なブルースギターかといえば、ブルースのように魂を込める演奏ではあるものの、ブルーノートを辿るソロはあまり弾かず、
かといってクラシカルかと言えば、古典的なギターワークからむしろ脱しようとする奇抜なギター志向がギターソロから感じられるため、それも違う。
この人はそもそも前人のスタイルは最小限に取り入れるにしても、新しい楽曲やギターを創造したいという志向の持ち主だったんじゃないかなと解釈している。
(ボクはギタリストではないので、詳しい人からすれば、それは違うというツッコミはあるかも知れないが・・)
そういうワケで、この作品に期待する作風は、当然Whitesnake時代ではなく、また、それ以降のボク的には微妙なManic Edenでもなく、近年のアコギでもない。
初期作品の2nd路線の音楽性を期待するんだが・・・そういう意味では少し微妙な作品に仕上がった感がする。まあ、当時の作品に占める雰囲気の多くは
ヘタウマヴォーカルの存在感というのもあったと思うので、どうしても今作のヴォーカルの存在感が大きい作品は、ヴァンデンバーグ名義作品としては
どうもシックリこないところがある。また、楽曲は教科書通りとも言える80年代路線でまあ良しとしても、ギターソロは当時の独創的な感じとはチョイと違う。
・・・とまあ、思うところは色々あるとしても、この盤のクオリティは相当高く、80年代ハードロックが現代に蘇る作品としては必聴盤だ。
ただ、ヴァンデンバーグ名義作品として、これこそヴァンデンバーグ!というインパクトは、ちょっと物足りない・・でも66歳?でこのエネルギーはスゴイと思うよ。

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