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Bleed & Scream / ECLIPSE
火薬バカ一代 ★★★ (2020-05-26 01:23:50)
北欧HR/HMシーン指折りの腕利きソングライター、エリック・モーテンセン(Vo)率いるECLIPSEが、'12年に発表した4thアルバム。
近年は来日公演も敢行する等、スタジオ・プロジェクトの段階を脱して、ライブ・バンドとしての評判もメキメキ高めつつある彼らゆえ、それに合わせて音楽性も初期のメロハー路線から、より実戦映えする骨太な正統派HM路線へと作を重ねる毎にビルドアップ。殆どパワー・メタリックとさえ評せそうな疾走ナンバー⑧も収録する等、本作の辺りからそうしたサウンドの軌道修正の試みの跡がハッキリと顔を覗かせるようになりました。
だからと言って、ヘヴィさの演出に執心するあまりメロディのフックがなおざりになる…なんて下手を打ったりしないのが流石で、本編は北欧のバンドらしい胸を打つ哀メロと、ハード・エッジが見事な融合を果たした楽曲がズラリ。OPナンバーに相応しい華やかさを纏って躍動する①、マグナス・ヘンリクソンのGソロが気を放つ②、ゲイリー・ムーアを思わす④、エリックのエモーショナルな熱唱とマグナスのテクニカルなGプレイの共演が感動を呼ぶ⑤…。特に悲哀の旋律に胸締め付けられる③は「これぞ北欧メタル!」と喝采を叫びたくなることを請け合いの名曲ですよ。
エリックとマグナスだけでも優れたソングライターなのに、更にそこにJ-POP、K-POPアーティストへの楽曲提供で知られるヨハン・ベッカーの助力まであるのですから、最早鬼に金棒状態。ECLIPSEのアルバムにハズレはありませんが、中でも本作は手元にある彼らのカタログの中で最も聴き返す頻度が高い1枚。

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