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The Watcher / ALEX MASI
火薬バカ一代 ★★★ (2020-05-14 01:41:19)
80年代からアメリカを拠点に活動していたイタリア人ギタリスト、アレックス・マシ。'89年には1stソロ『ATTACK OF THE NEON SHARK』がグラミー賞インストゥルメンタル部門にノミネートされるという輝かしい実績を残す等、ある意味アメリカン・ドリームを掴んだ男である彼氏が’97年に発表した、バンド名義(MASI)では3枚目となるアルバム。
「自虐的だなぁ」と名前のインパクトは抜群ながら、過去作ではアメリカン・メタルやフュージョンがかったHRを演っていて今一つピンと来るものがなかったのですが、本作においてはザクザク刻まれるリフ、ドコドコ疾走するリズム、青筋立ててシャウトするVo、その合間を縫ってクラシカルなGソロが華麗に走り抜けるスピード・ナンバー①④が全てを物語る通り、どこを切ってもメタル汁100%、RISING FORCE時代のイングヴェイを更にビルドアップしたようなパワー・メタル・サウンドを全編に亘って追求してくれています。
発表がもう数年早ければSHRAPNEL RECORDSから(日本盤は勿論APPOLONの黄色い帯付で)リリースされてたって違和感のないスタイルながら、メロディアスな②やバラード③等、要所要所で一歩長じた細やかなメロディ・センスの良さが感じられるのは、やはりイタリア人の血のなせる業か。またURIAH HEEPの名曲“EASY LIVIN’”や、スティーヴィー・ワンダーの“汚れた街”(イアン・ギランも演ってました)をカヴァー曲としてチョイスするセンスもヨーロッパ的と言えるのかも。
これぞ!というキメ曲は見当たりませんが、それでも「マシ」どころか、かなり良質なHMアルバムであることは受け合える1枚。

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