この曲を聴け! 

Nordland II / BATHORY
kamiko! ★★★ (2020-05-05 21:05:21)
スウェーデン産ヴァイキングメタル2003年
前作Ⅰとセットで楽しもう。当然音楽性や世界観は前作と全く同じだ。
いろいろなところでクォーソンの歌がヘタで聴けない云々のレビューを見るが、少なくとも野蛮な戦士が歌が上手だったらおかしいじゃない?
この人はホントに音程を取るのが苦手なんだろう。しかし、そういう歌唱だからこのヴァイキングな世界にマッチしているのだ。
鈍重なヴァイキングメタルが延々と続き、ドラマチックに仰々しくラストを迎え、聴き終えた時、まるで新天地に辿り着いた戦士のような心地よい疲れを疑似体験できるのだ。
この作品を最後に、翌年39歳でヴァイキング・ゴッド・クォーソン氏が亡くなってしまう。
この人のヴァイキング作品は、いつの時代でも不器用でありながら妥協しない心意気とペイガニズムへの浪漫が宿っていた。
普通のバンドならばもう少し聴きやすく加工するだろ、と思うようなスピーカーが割れそうな音素材を、そのまんまぶち込んでみたり
他のバンドはこんなダサいリフを使わないだろ、というようなリフを、さも当たり前のように潔く曲中にぶち込むような、豪胆な音楽性が素晴らしいのだ。
クォーソンの気質とそういう手法が融合しているヴァイキング作品がBathoryの大きな魅力。
ネタでコレクションしている人もいるようだが、この魅力を理解してのめりこんでしまうと、演奏や歌唱力のポテンシャルを超越した芸術性すら感じる神盤になると思う。

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