この曲を聴け! 

Ordinary Man / OZZY OSBOURNE
失恋船長(2020-05-03 16:13:54)
前作から10年ぶりにリリースされた巷で話題の最新作。一応、オジーのラストアルバムとの触れ込みです。実は、最近まで92年以降のオジーの作品をほぼ、聴いたことがありませんでした。今作リリースを機に、毎日オジーのニュースがスマホに流れてくるので、そのしつこさに根負けして定額サービスを受けているSpotifyから視聴。予想以上に時流に乗ったサウンドと、もはやオジーじゃなくとも成立するスタイルに面喰いました。そして紆余曲折を経て辿りつたのが今作になります。

まず驚いたのがリズムセクションが、ファンキードラマーのチャド・スミスとパンク野郎のダフ・マッケンガイ、二度見ならぬ三度見でも驚きを隠せない人選、新しい血の導入としてアンドリュー・ワットがギター兼プロデュースという重要な役どころで登場と、もはや何が出ても驚かない下地の作品となっています。

昔の雰囲気も意識して出しているが、個人的には完全に加工製品である。例えるならAI美空ひばりだし、CGによる帰ってきた寅さんである。オジーの存在感を生かすようにバックの固める演者は控えめなプレイで堅実な仕事をこなしてる印象。AOR系やラッパーの後ろなら文句も言われないアンドリューのギターも、ここでは役者が違うよと言いたくなるが、それは過去のスタープレイヤーとの共演と比較しての話だし、方向性の違う人間に被せるのは可哀そうでしょう。この人選は、ギターソロなど必要ない時代の産物である。

ワタクシのように、時代遅れの野風増なオッサンには着いていけない面は多々あるのだが、往年のイメージを現代の感性によりハイブリットさせたのは、今のオジーのキャリアを考えれば大正解と言えるだろう。メタル云々ではない、多くのロックファンに向けての作風として道筋を立ててきたミュージックライフ。くどい様だが30年近くストレートなメタルをやっていないアーティストだ、ポスト・マローンがゲスト参加していても、全然驚きません。
むしろ、エルトン・ジョンとかスラッシュがいる方が不自然だったりするのだが、これもAI美空ひばり&帰ってきた寅さんオジーと思えば、全く驚かない。
個人的に、今のオジーなら生身の人間から醸し出されるヴァイブなど必要としない。全てが作りものの音楽性。打ち込みスタイルでも困らない。そもそもレコーディングそのものがテクノロジー任せだ。

機械仕掛けのオジーだが、近年にあった、がなりや唸りを止め、本来ある朗らかでライトな爽健美茶ヴォイスが戻ってきた。これもテクノロジーの賜物なら大歓迎である。個人的には何も入ってはこないのだが、近年のオジーに不満のあった往年のファンなら、お帰りオジーと歓喜の声を上げるでしょう。特に①③⑤の前半部分に、かつての姿を重ねることが出来ますね。

長きに渡り第一線で活動したオジーのラスト作は、スーパーギタリストを迎え入れた派手なものではなく、彼のキャリアを見つめ多くのファンをもてなす作風になりました。

個人的にはマックス・ノーマンとか呼んでさ、お祭りアルバムも聴きたいんですけどね。

→同意