この曲を聴け! 

FRANZ LISZT
kamiko! ★★★ (2020-04-26 19:31:08)
ここの解説や発言の通り、高い鍵盤技巧が話題になりがちな作曲家で、ピアノを嗜む人が上級にグレードを上げる時期に必ずと言っていいほど憧れ、Lisztの楽曲を目標にする。
「超絶技巧練習曲集」などと訳された名称のせいか、高度な鍵盤技巧が代名詞みたいになっているが、決してそう捉えるべきではない。
超越しているのは肉体と精神と心であるとLisztは明言している。技巧については肉体的要素であり、Lisztの作品を単に技巧がスゴイということで片づけるのは勿体ない。
鍵盤技巧に偏ることなく、技巧に裏付けられた、より内面性の強い、心を打つ作品が数多い。実際、この曲集の第3番「風景」は、技巧的な面だけ見ると譜面通り弾くことはそんなに難しくはない。しかし、内面性を加味した心を打つ演奏となると、一筋縄にはいかない。
ウチには東芝EMIがまだ楽譜を売っていた頃(1980年代)のボロボロの楽譜がピアノの傍に常備してあるが、未だなかなか思い通りに弾きこなすことは難しい。
最近は年齢を重ねて集中力も衰え始めたのか演奏精度が下がってきた。が、Liszt作品は生涯の友として嗜んでいきたいと思っている。
↑の人が書いている代表曲が超有名曲だが、名曲は数多い。Liszt作品後期になればなるほど宗教色が強くなり鍵盤技巧は控えめになっていく。これはこれで鑑賞するにはいい。
個人的にはやっぱり超絶な演奏が全盛の頃「超絶技巧練習曲集」「ハンガリー狂詩曲」の作品や、旅愁が感じられる「巡礼の年スイス」「巡礼の年イタリア」が好きだ。
シューベルトやシューマンの曲を編曲した作品中「冬の旅」「魔王」「献呈」や、ペトラルカのソネット第104番、3つ演奏会用練習曲第3番ためいき、メフィストワルツ
挙げればキリがないほど素晴らしい楽曲群だ。
演奏家は、旅愁を感じさせる楽曲の場合は、技巧が派手に聴こえないボレットがお好みだ。鍵盤技巧のダイナミズムを堪能するなら、チョイとマニアックだが
ケマル・ゲキチの演奏が最もツボだった。

→同意