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From Days Unto Darkness / HATRIOT
火薬バカ一代 ★★★ (2020-04-05 01:01:07)
本業であるEXODUSの活動が多忙となり、二足の草鞋を履けなくなった看板シンガーのスティーヴ“ゼトロ”サウザが脱退。後任は迎えず、息子のコーディ・サウザがBとVoを兼任する4人編成へと移行したHATRIOT、'19年発表の3rdアルバム。
既に散々言われてますが、でもやっぱり本作を聴いて驚かされるのは父子の歌声が激似なこと。昔友人の家に電話を掛けたらそいつの親父が出て、あまりに声が似ていたので暫く気付かずに一方的に話し続けてしまった学生時代の思い出が不意に蘇るぐらいのそっくりさ加減。何も知らなければメンバー・チェンジにさえ気付かなかったんじゃなかろうか?。
そうした編成替えを経て、父親の目も届かなくなったことだし大胆に作風を刷新だ!…なんてことはなく。イントロで抑え込んだ衝動を一気に解き放つOPナンバー①の苛烈な突撃ぶりが物語る通り、今回も前2作のスタイルを継承するスラッシュ・メタル・サウンドを徹底。寧ろブラスト・ビートの多用や随所で噛まされるデス声コーラス等、これまで以上にマッシヴに音楽性を絞り込んできたとの印象です。特に、噛み付くようにシャウトするヤスリ声Vo、作曲センスのみならず、鮮烈なGプレイも曲中に焼き付けるコスタ・ヴァルヴァタキス、息の合った演奏で硬質なリズムの壁を築くニックとコーディのサウザ兄弟が一丸となって畳み掛ける、7分以上の尺を全く長く感じさせない⑥、メロディックなGソロが劇的に華開く⑦、キャッチーなリフとデス・メタリックなアグレッションが並走する⑨等々、収録曲にはゼトロが抜けた穴をカバーして余りあるエネルギーが渦巻いていますよ。
「親は無くとも子は育つ」の格言の意味をしみじみと実感させてくれる力作。
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