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Overdoing / TOKYO YANKEES
火薬バカ一代 ★★★ (2020-03-10 00:37:30)
「和製MOTORHEAD」ことTOKYO YANKEESが’91年にEXTACY RECORDSから発表し、インディーズ・チャートにおいて№1ヒットとなった1stフル・アルバム。ちなみに兄貴分のXからPATAとHIDEがそれぞれバックVoとGで参加。初回盤はボーナス・トラックとして8cmCDシングル『JOKER』が付属した2枚組仕様でした。
埼玉県の国道をパトカーに追いかけられながらブッ飛ばしているような、ヤンキー臭漂うオラついたパワーメタル・サウンドは前作同様ですが、音質の向上により迫力は倍増。ランニング・タイムも30分台とタイトに凝縮された本編は、「I!C!B!M!」とコーラスをシャウトせずにはいられないキャッチーさも備わったOPナンバー①から、最速でエンディングを爆走する⑨まで、表題『OVER DOING』(「悪ノリ」の意)に相応しい突進三昧。脇目も振らぬその猪突猛進ぶりや表情に乏しい咆哮型Voをして「一本調子で構成にメリハリが欠ける」「どの曲も同じように聴こえてしまう」とマイナスに感じる向きもあるやもしれませんが、逆にそうした部分を「いいんだよ、細けぇことは!」と堂々うっちゃれる豪快さが、このバンドの得難い個性とも思えるわけでして。
特に土煙蹴立ててダイナミックに疾走するハード・ドライヴィンな⑦は、2本のGの斬り込み隊長ぶりにメタル魂が燃え上がる名曲。またボーナストラックの“JORKER”もメロディックなGソロが印象的な、特別扱いも納得のカッコ良さを誇っていますよ。
TOKYO YANKEESは長らくデビューEPしか聴いたことがなかったのですが、本作は買って大正解。寧ろもっと早く聴いておけば良かったと思うぐらいでして。

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