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Frehley's Comet / ACE FREHLEY
火薬バカ一代 ★★ (2020-02-04 23:51:01)
エース・フレーリー(Vo、G)がKISS脱退後に、元707のトッド・ハワーズ(Vo、G)、KISSの影武者メンバーとして有名なアントン・フィグ(Ds)、ピーター・フランプトンのバンドに在籍していたジョン・リーガン(B)らをバックに従えてソロ・プロジェクトを立ち上げ。ベテランのエディ・クレイマーをプロデューサーに招いてレコーディングを行い、'87年に発表したデビュー作がこれ。
こちとらKISSと言えば、何はさておきポール・スタンレー。続いてジーン・シモンズという認識ゆえ、エースに関しては人気メンバーと知っちゃいても興味は殆どなかったのが正直なところでして。ましてやソロ・プロジェクトなんて…。本作の入手経緯も「お店で中古盤を見かけて安かったので購入した」ぐらいの適当さだったのですが、聴いて吃驚。本家KISSに勝るとも劣らぬ良質なロックンロール・サウンドが託された秀盤じゃありませんか。
長らくライブ・アクトとして研鑽を積んでいただけあって、重厚にしてアンセミックなOPナンバー①、フィグの豪快なドラミングが冴え渡る②、拳を振り上げ合唱を誘われる⑤等、本編は実戦の場で映えそうな楽曲を多数収録。そうしたKISSのアルバムに収められていても違和感のないタテノリの楽曲も勿論良いのですが、個人的にはラス・バラードのペンによる哀愁を帯びた③とか、売れ線狙いのキャッチーなポップ・ナンバー⑦とかに特にグッと来た次第。それらを華やかに彩るエースのGプレイも実に生き生きと輝いていますよ。
ストライクゾーンど真ん中の音楽性ではなくとも、エース・フレーリーに対するぼんやりとした印象を、一気に塗り替えられるぐらいの感銘を受けた1枚でありました。

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