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The Eternal Idol / BLACK SABBATH
火薬バカ一代 ★★ (2009-07-04 00:22:00)
数々なトラブルを経て開き直ったトニー・アイオミが、男一匹、BLACK SABBATHの看板背負って
やっていく覚悟を決めて作り上げた(?)、'87年発表の13thアルバム。
如何にもブリティッシュな湿り気を帯びた正統派HMの好盤ながら、元々はアイオミのソロ・アルバムとして
制作されたが故に「BLACK SABBATHらしさ」は希薄だった前作『SEVENTH STAR』に比べ、今回は(カリスマ性にこそ乏しいが)
憂いと色艶を漂わせた絶品の歌唱力を持って、魅力的なメロディを歌い上げる実力派シンガー、トニー・マーティンを
得たことで、ロニー時代の様式美サバスを彷彿とさせる「暗さ」「重さ」「劇的さ」が復活。
特に名曲“HEAVEN AND HELL"を思わせるGリフを備えた①や、引き摺るようなヘヴィネスが炸裂する
ドゥーム・メタル然とした⑨等は、『HEAVEN AND HELL』『MOB RULES』収録の名曲群と比較したって何ら遜色は無い
・・・ように思う。(⑨なんてHEAVEN & HELLの『THE DEVIL YOU KNOW』に入ってたって不思議じゃない迫力だ)
手堅い代わりにパンチに欠けるリズム・セクションを筆頭に、未だプロジェクト臭が色濃く残る作風は、
後の『HEADLESS CROSS』『TYR』といった名盤に比べると、やや地味というか小粒な印象は否めないものの、
Wトニーを擁する様式美BLACK SABBATHの門出を飾るに相応しいクオリティを備えた1枚であることは確かかと。

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