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The Eternal Idol / BLACK SABBATH
H・W ★★ (2002-09-19 01:53:00)
トニー・マーティン在籍時の音源のなかで、もっとも影が薄いアルバムといえよう。(加入一発目の作品だと言うのに)
次のアルバム以降はすべて、コージー・パウエルか、ギーザー・バトラーのどちらかが参加しているから、というのも理由の一つかもしれない。
レコーディングメンバーを見ると、ボブ・デイズリーとか、エリック・シンガーとか、有名ではあるけれどパンチ力に欠ける名前が並んでいる。
しかし、このアルバムの、非常に均整の取れた、キャッチーな楽曲の数々を楽しんでいると、こういう軽めのノリもアリかなあ、と感じてしまう。ギーザーやコージーの持ち込む、エナジー全開のスーパーサウンドも、もちろん魅力だが、シェイプアップされた音世界の中で楽しむ、トニー・アイオミのフックに富んだ楽曲も、なかなかに味がある。
ロニーほどに熱くは無く、湿り気のある声質がたまらなく魅力的なトニー・マーティンだが、このアルバムの若干涼しげでキャッチーな楽曲には、そういう彼の持ち味が抜群にハマっている。
レコーディングの初期の段階では、レイ・ギランが携わっており、明らかに「レイ・ギラン製」の歌メロが多数収録されているのも、このアルバムの特殊な面白さになっている。
迫力は他に負けるかもしれないが、キャッチーでカッコいいHRが聴けるという点においては、間違いなく高く評価できるアルバムである。

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