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The Wild One / CROSSROADS
火薬バカ一代 ★★★ (2019-10-24 23:15:54)
METAL HAMMER誌主催のコンテストでグランプリを受賞したという、ドイツはニーダーザクセン州出身の5人組が、プロデューサーに売れっ子トニー・プラットを迎えてレコーディングを行い、'91年にEMI RECORDSから発表した1stアルバム。
アンドレアス・マーシャル謹製のジャケットだけ見るとDESTRUCTIONの『ETERNAL DEVASTATION』みたいですし、当時国内盤を買っても解説がついてなかったのでどういう来歴を持つバンドなのかよう分からんかったのですが、とりあえず本作で聴くことが出来るのは、欧風のメロディと、米風のグルーヴが4対6ぐらいの割合でブレンドされたHRサウンド。《ドイツのライブハウスを荒らし回り、日本へ!》の惹句通り、メタリックなシャウトをひり出す少々クドめのVoやキャッチーなコーラス・ワーク等、確かにライブで映えそうな音を出しています。特にヒット・ポテンシャル十分の感動的なバラード④は彼らの試みが最も上手く結実した、グッとくる名曲と言えるのではないでしょうか。
BONFIREやTHUNDERHEAD辺りに通じるカラッとベタつかないノリの良さを終始保ちつつも、キレのあるツインGが印象的な疾走ナンバー⑨、ジャーマン・パワー・メタリックなGリフがザクザク刻まれる⑩、TANKの名曲を思わすタイトルに相応しいドラマ性で本編を締め括る⑫等、アルバムを聴き進めるうちに徐々に欧州風味が強まりを見せ始める辺りは、やはりドイツのバンドだなぁと。
発表当時リアルタイムで購入した2nd『HYPE』(’93年)は音楽性が拡散しており、あんまし感心した記憶がないのですが、本作はかなり楽しめましたよ。

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