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Don't Look Down / Touchdown
失恋船長 ★★★ (2019-09-06 19:19:36)
カナダ産の正統派HM/HRバンドが1984年にリリースした1st。枯れ専ギターは線は細いものの、独特のタッチの音色で勝負。いい意味でのマイナー臭に拍車を掛けていますが、1984年でも古臭い音になっているのは聴き手の志向によってはシケシケの貧乏臭さを猛烈にアピールすることになるでしょう。後期NWOBHM勢とも重なるようなマイナー臭と古典的な音色、雄大なカナダとは一味違うのだが、リズムやグルーブに大らかさが顔を覗かせているのがお国柄と言うものだろう(デモテープ級の音質ですので耐性ののないマニアは要注意)。
チョイとブルージーさも湿り気を帯びた叙情派ギターサウンドを軸に、伸びやかな歌声で華を添える女性シンガーの存在感の強さ。叙情的なムードに包まれつつも、薄っぺらい音質の向こうには骨太さも感じられたりと、多様性を感じさせるのがポイント。装飾をそぎ落としシンプルに着飾る事で聴こえてくるサウンド、巧みに硬軟を交える事で聴きやすさをアピールしている。
こうなると、このぺランぺランの音質が悔やまれる一枚であろう。中盤に配されるグルーヴィーなナンバーなど、物足りなさを感じさせる。それを凛とした歌声でフォローするテリー・クシュナーの存在感が大きく作用していますね。
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