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Motherland / PRETTY MAIDS
失恋船長(2019-07-07 21:54:42)
まずは一部のマニアを覗いて評判の悪いJUNP THE GUN時代を彷彿とさせるナンバーの登場に驚いた。そこに最新のテクノロジーを導入しているのだからパワーメタル路線を期待するファンにとっては肩すかしを喰らうだろう。次の②も同様の路線となっているのも同じく驚きである。ケンとロニーの二人のアイデアなのか?それともレーベルの意向なのかは想像でしかないのだが、今や盟友と呼んでも差し支えのない、自身もミュージシャンでありギターも唄もやる、プロデューサーのジェイコブ・ハンセンの助力によるところは間違いないだろう。
古さに埋没しない現代的なサウンドプロダクション。その為に全体的に軽めに仕上がっている。ギターもシャリシャリとしたものとなり、ファットなへヴィサウンドとは一線を画すものである。全てにおいてワールドワイド仕様の為に、このバンドの個性と言うのが薄まっているのも残念だが、今の時代にアジャストしつつ、自らが求められるブランドへの過渡期と考えれば大いに納得出来るだろう。
JUNP THE GUNはロジャー・グローバーを迎え威厳溢れる正統派スタイルへの接近だった。それまでの彼らにあるポップフィーリングと欧州的な香り、そこにハード&へヴィを持ちん込んだ初期の時代を上手く消化したものだった。今作も同じようなメロディアス路線だが、より現代的なへヴィサウンドとポップフィーリングを前面に出した作風であり、初期の頃とは完全に決別したものだろう。

これらのアルバムを手放してワタクシにタダ同然で譲った友人の気持ちも分かる。まるで流行りの○○バンドみたいに聴こえるからだ。しかし初期のパワーメタル路線を今の時代に再現することもナンセンスに感じる。そういうのはやらない方が賢明だろう。バラエティに富んだ意欲作、新鮮な空気に無理を感じたら完走するのは厳しいだろうが、フレッシュかつエネルギッシュと聴けたなら大いに楽しめる一枚だ。若い人には親しみやすいのも新規開拓としては正解であろう。

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