この曲を聴け! 

Ceremony Of Innocence / RADIOACTIVE
火薬バカ一代 ★★★ (2019-05-09 23:54:48)
北欧メロハー・シーンのキーパーソンの一人、トミー・デナンダー。80年代にはアメリカで腕を磨きマルチ・ミュージシャンとして評判を高めた彼の名を、プロデューサーとしても一躍HR/HMシーンに知らしめる切っ掛けとなったプロジェクトのデビュー作。(’01年発表)
LA滞在期間中に知己を得た、晩年のジェフを含むポーカロ三兄弟とのセッションを基本に、そこにTOTO歴代メンバーを始め、総勢30名に及ぶ豪華ゲスト・ミュージシャンを加える形で構成された本作で披露されているのは、TOTOリスペクト感溢れる洗練された都会派メロディックHR。但しふんわりとは流さず、きっちりサウンドにハード・エッジを効かせて仕上げている辺りが流石トミー・デナンダーのお仕事であると。
スティーヴ・ルカサーを除くTOTO揃い踏みなOPナンバー①に始まり、ボビー・キンボールが歌い、ジェフ・ポーカロの軽快なドラミングに気分がアガる②、ファーギー・フレデリクセンをフィーチュアする『ISOLATION』期のTOTO感満点なドライヴ・チューン③、デヴィッド・フォスターの繊細な鍵盤捌きが抒情性を増幅する④、ジェイソン・シェフ(CHICAGO)のVoにジョセフ・ウィリアムズがバックVoで絡む涼しげな哀メロ・ソング⑥、楽器陣のファンキーな掛け合いが楽しめる⑧、ジム・ジッドヘッド(ALIEN)が歌うキャッチーな⑪等々…。これら秀逸な楽曲群を聴けば、本作がゲストのネームバリューに頼りきった空虚なプロジェクト物とは一線を画する内容であることをご理解頂ける筈。
ここで得た高評価を叩き台に、RADIOACTIVEは継続プロジェクト化。以後、2作、3作とアルバム・リリースを重ねていくこととなるのはご存知の通りです。

→同意