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Worlds Collide / UNRULY CHILD
火薬バカ一代 ★★★ (2019-04-05 07:26:02)
デビュー以来、断続的ではあるものの、それでもアルバム・リリースを重ねて来たUNRULY CHILDが、中心メンバーのブルース・ゴウディ(G)以下、1st『UNRULY CHILD』(’92年)に参加したオリジナル・ラインナップを再結集させ、'10年に発表した4thアルバム。
最大のトピックはやはり、90年代半ばに性同一障害を告白して性転換手術を受け、その後はHR/HMシーンの一線からは身を引いていた、マーク・フリー改めマーシー・ミシェル・フリーの復活ですよ。この人の手術後の歌声を聴いたのはこのアルバムが初めてで(ソロ作『TORMENTED』は聴きそびれてしまった)、年月を経て声質こそややハスキーなものへと変化していましたが、伸びのあるハイトーンや円熟味を増した表現力は衰えることなく健在で、まずはホッと一安心。
まぁ名盤『LONG WAY FROM LOVE』(’93年)の頃の潤いに満ちた美声を惜しむ気持ちもなくはないものの、ともあれ、そうした彼女の戦線復帰を祝うようにサウンドの方も、時代性を加味して飾り気を抑え気味だった2ndや3rdの頃に比べると、キラキラなKeyや厚めに盛られたハーモニーによる装飾を増量して、未だ人気の高い1stの頃を彷彿とさせる煌びやかなメロハー路線へと回帰を果たしています。甘いメロディに彩られたポップ&キャッチーに弾む③と、仄かな哀メロがじんわりと浸透するバラード④、アルバム表題曲でもある抒情的な⑥、美しく伸びやかなコーラス・ワークが絶品の⑪等は、多くのファンが「これよ、これ!」と膝を叩くUNRULY CHILD印のハードポップの名曲ですよ。
オリジナル編成の復活にちゃんと意味を持たせた内容であることに感心させられた1枚。

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