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The Wings of War / OVERKILL
火薬バカ一代 ★★★ (2019-03-28 00:04:36)
「俺達の新しいドラマーどう思う?最高だろ?」と満面の笑みを浮かべるブリッツの顔が思い浮かぶような、ジェイソン・ビットナー(元SHADOWS FALL)の強靭なドラミングが映える突撃ナンバー①にて幕が上がる、OVERKILL、'19年発表のニュー・アルバム。
ベテランになっても新作リリースを勿体付けない。作を重ねても一向にパワーが衰えない。そして方向性が微塵もブレない…と良い意味でないない尽くし。シニカルでバイオレントでハイパーで重厚。変わらぬ「らしさ」が奔流の如く雪崩を打つ本作については「最高オブ最高」で感想書くのを止めても全然構わないぐらいなのですが、もうちょい具体的に誉めさせて頂くと、意識的にエピカルな方向に振られていた前作に対し、今回はもろパンクな⑦を筆頭にラフな荒くれ感を増量。前作が重装甲で身を固めた戦士の進軍なら、本作は己の拳一つを武器に戦い抜くストリートファイターといった風情が漂います。まぁどっちにしろ、聴き手は一方的にボコられ蹂躙されるのみなのは一緒なんですけども。
OVERKILL流鋼鉄サウンドの源泉たるブリッツのぷっつん(死語)Voと、D.D.の肉厚なBが挑発的に牙を剥く一方、デイヴ・リンスク&デレク・テイラーの鉄壁のGコンビが適度な湿り気とドラマ性を散りばめもする楽曲の数々は、雄々しい高速スラッシュ・ソング①⑩、ツインGの色気にゾクゾクさせられる劇的な④⑤、アサルトライフルの如きドラムが火を吹く⑨等々…、現在の彼らの充実っぷりを物語る逸品がズラリ。
ぶっちゃけ前作の作風の方が好みっちゃ好みですが、最も信頼するバンドの一つがその信頼にしかと応える作品を発表してくれたのですから、そりゃもう絶賛するしかねえわ、と。

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