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Nutz Too / Nutz
失恋船長 ★★★ (2019-02-26 17:08:29)
イギリスはリバプール辺りを中心に活動していたブリティシュロックバンドが1975年にリリースした2nd。適度なハードさに負けないくらい甘口のポップなメロディを嫌みなく溶け込ませる事に成功。この何とも言えない相反する融合が実に魅力的であり、まだまだ完熟しきれていない70年代のロックシーンならではのバンドであろう。ZEPがサイケにブルース、DPはクラシックをルーツに持っていたりする中で、このバンドはその両者からも距離を置きつつも、巧みなポップセンスを重厚なアンサンブルと、華麗なコーラスワークで挟みこみ独特のスタンスで聴かせる手腕に終始しており、④曲目の『Change's Coming』などで聴ける哀愁美も絡めたハードサウンドは、このバンドならではの強み。
70年代に主役不在とも言えるバンドスタイルは、ある意味健全なパワーバランスを保持しており、楽曲重視で勝負している姿は好感が持てる。また無駄なインプロがない分、楽曲もコンパクトで聴きやすいのもポイント。
このバンド、日本でもイギリスでもイマイチ人気がないと言うのが悲しい。日本で人気が出なかったのはルックスが良くないので雑誌に取り上げてもらえなかった。でも一部の雑誌偏重じゃない筋金入りの英国ロックマニアの間では高い音楽性を認め、愛されていたので、英国風味満点のハード&ポップスなサウンドが好みの方なら大いに楽しめるでしょう。

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