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Vanishing Vision / X JAPAN
失恋船長 ★ (2019-02-25 09:43:38)
のちに売れすぎた為にバンドの本質がすっかり見えなくなったバンドの代表格。GUN'S N' ROSESなども同じような枠組みとなるだろう。神格化されすぎたバンドの悲劇をこのバンドから見てしまう。メンバーのスキャンダラスな人生をみれば尚更、不憫に感じてしまう。大きなイメージの中で大金が動き、自分達を見失ってしまった。純朴な青年達が翻弄された人生。クィーンなんかよりもよっぽど面白い映画が作れそうな気がする。
歌謡曲にも通ずる親しみやすいメロディをスピーディーに演奏する事で過激さを演出、ド派手なヴィジュアルと相まって独自性を演出していた。ヘアメタル勢に対する日本的なアプローチに見た目なのだが、やり過ぎの盛り過ぎが後続に与えた影響は大きくヴィジュアル系という言葉を生み出す先駆者といって間違いないだろう。
しかし、金儲けの大人達が真似したはルックスだけで、このバンドのようなメタルテイストを残したバンドは皆無。ペラッペラのアルペジオを弾き、フニャフニャの軟弱ギターサウンドで埋め尽くされていた。歌い手は皆、歌唱力不足で声が裏返る輩ばかり、本当に厳しい音楽シーンを形成する事となる。そんなグループの親玉にされた、このバンドの悲劇は特定のマニアを生み出す事に終始してしまい。ダイハードなメタルファンからは、心底嫌われる存在となってしまった。それまでも顕著だった、所謂洋楽至上主義者との溝を決定的なものとしたバンドかもしれない。彼らの成功により、国内のメタルシーンは死んだ。
それはX-JAPANが悪いのではない、この勢いに太刀打ちできるバンドがいなかったと言えるだろう。
ちなみに、彼らの事はメンバーが流動的な時代に何度かライブに足を運び、色んなバンドと対バンしていた為に見る機会がそれなりにあった。それだけに、今作リリースに伴うファンの動きの大きさを如実に感じている。黄色い歓声で埋め尽くされるライブハウス、普段はお目にかかれないファン層に度肝を抜かれた。これは間違いなく成功するバンドだろうと感じた。しかし、当時も今も差別用語のようなメタルというジャンルではなく、もっと飛び抜けた音楽性で成功すると思っていました。
メジャーデビュー後の成功にも驚きを感じていない人も多かったでしょう。あれだけのフォロワーを瞬時に生み出したのは、単に見た目が派手だけではありえないと思います。
音そのものに魅力があったのは間違いないでしょう。そして日本人はスピーディーで好戦的なサウンドが好きなんだといのも再確認しました。ようなイメージなんだということも同時に感じましたね。
空前絶後の成功を収めたX-JAPAN。彼らの快進撃はちょっとしたニュースですよ。
今作で聴けるのは自分達の愛するへヴィメタル対する忠実なるアティテュードの解放。日本人のエッセンスをこれでもかと塗したメロディは、時として恥ずかしくなる程、歌謡テイスト満載だ。その臭さに赤面するのだが、それらをなぎ倒し、ぶっ壊すスピードとアグレッションが共存していた。日本人による日本人の為のサウンド。彼らのtoo much感に付き合えれば至高のサウンドへと昇華するのだろう。
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