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The Fall / ALICE IN HELL
火薬バカ一代 ★★ (2018-10-09 23:39:29)
「ヴィンテージ・スラッシュ」を標榜する東京出身のトリオが、デビュー作『CREATION OF THE WORLD』(’14年)の好評を糧に、’18年に発表した2ndアルバム。
前作から4年と、新人バンドとしてはかなりアルバムとアルバムのリリース間隔が空いてしまった印象ですが、濁声繰り出すVoに、ガリガリゴリゴリと突き進むリフ&リズムと、その合間を縫ってテクニカルなGソロがメロディックに舞う基本スタイルはまったく微動だにせず不変。全10曲収録でランニング・タイムが30分台という、タイトに締まった構成も前作同様です。
ただ、一口に「ヴィンテージ・スラッシュ」と言っても、倒れる寸前まで前傾姿勢を取り、遮二無二突っ走るSLAYERタイプではなく、リズムがどっしりとしたパワー・メタリックな重量感を湛えているのもこのバンドの特徴。地鳴りの如く突進するリズムと、野卑なシャウト、鋭利なリフ、そして質実剛健な楽曲にパッと華やかな彩りを加える、相変わらず鮮烈に冴え渡るGソロとが並走する①③⑥⑩という、ALICE IN HELLというバンドの魅力を分かり易く捉えた楽曲を要所に配置。疾走ナンバーはより破壊的に、ミッド・チューンはより重厚に、更には前作では聴かれなかったようなシャッフル・チューンにも挑戦する等、収録曲のバラエティが確実に広がりをみせる本編は、よりパワフルに、よりダイナミックに、バンドとしての総合力の成長ぶりが伺える内容に仕上がっています。
あとは演奏に埋もれがちなVoがもうちょい存在感を主張できるようになれば、更に一段階上のインパクトを聴き手に与えられるようになるのではないでしょうか?

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