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Turn It up / RAJAS
火薬バカ一代 ★★★ (2018-08-20 22:39:34)
脱退したCRAZY COOL JOE(その後DEAD ENDに参加)の後任として、ノンちゃんこと河内倫子(B)が加わり、女2人/男3人という当時の日本のHR/HMバンドには珍しい編成となったRAJASが、'85年に発表した1stフル・アルバム。
濃厚な昭和臭にむせ返りそうになる歌詞に思わず赤面を誘われてしまう向きもありましょうが、EARTHSHAKERの西田昌史がプロデュースを手掛け、更に楽曲提供も行っている本作の質の高さに疑問を差し挟む余地は一切なし。
ここで実践されているのは、中心メンバーたる森川“セン”邦子(Vo)の華を感じさせる歌唱を基軸に据え、そこにツインGがエッジを加えるメロディアスなHRサウンド。本編は前半に明るくポップな楽曲が並び、聴き進めるに従ってだんだん哀愁味が増していく構成となっていて、個人的にはやはり後半戦こそがツボです。森川のVoは、シンプルでポップなノリの楽曲に関してはどことなく歌いあぐねているというか、「頑張って歌っている」感が漂うのですが、Keyを効果的に用いたドラマティックな⑤(西田昌史との共作曲)のような、よりテクニカルで難易度の高い楽曲においては、その真価を十二分に発揮。特に後期カルメン・マキ&OZがやりそうな(?)劇的なバラードの大作⑧における、情念迸る堂々たる歌いっぷりは圧巻の一言に尽きますよ。
RAJASというとオムニバス盤『BATTLE OF METAL』で聴いた“SHOCK!”や“ANGEL”の印象がやはり強いのですが、より曲作りの幅を広げた本作も乙な味わいで最高です。
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