この曲を聴け! 

The Complete Works / TOUCH
失恋船長 ★★★ (2018-07-28 16:06:35)
AMERICAN TEARSを率いていたマーク・マンゴールドは、新たな成功を目指すべく音楽性やメンバーを変更。そして辿りついたバンドがコチラになります。前身のバンドではマークのキーボードを軸としたプログレサウンドでもあったが、今作ではその路線を封印。より親しみやすいコマーシャル路線を極めることで成功への足がかりと作った。
オリジナルは1980年、LOUDNESSでもお馴染のATCOと契約、全米デビューとなります。RAINBOWと同じマネージメントだった関係で第一回のモンスターオブロックの参加もあり、デビュー作ながら手ごたえのある成功を収めている。

その名盤が1998年に幻の2ndとのカップリングで復活とはマニアを歓喜させましたね。とにかくDISC①に代表されるような二人のシンガーが絡む叙情派アメリカンハードポップサウンド軸にマニアのハートを熱く濡らしていきます。
そんな中にも④のような爽快感のあるコーラスハーモニーを従えた攻撃的な曲も挟んだりと、手練手管の凄腕ぶりも堪能と出自がしっかりとしたミュージシャンだけに、演奏やアレンジに不安な要素はない。

力量のあるメンバーシップが炸裂する泣かせのセンチメンタルプログレハードの⑥など聴かされると、堅実でエエバンドやなぁと唸らされますね。確かに商業的な面は強いですが、日本国内のレコード会社の意識とは違いますので、打点が高いですから、満足度が違うんですよね。間違ってのノリが良ければ何でも良いというようなライトリスナーには、本格派過ぎて地味に聴こえるでしょうから手を出さない方が良いのですが。

上手さと同じくらい親しみやすさをもった普遍的なアメリカンメロディックサウンド、爽快感のあるコーラスハーモニーを生かしたサウンドはキャッチーさだけではない、ロックの持つ勢いを感じる事が出来るでしょう。
そしてDISC1の流れを組む幻の2ndを収録したDISC2が何故お蔵になったかは、音だけでは判断できませんでしたね。マネージメントとレコード会社の意向に沿えなかったのかバンドは解散の道へと歩んだ幻のバンド。メロディ派なら迷わずゲットでしょう。

→同意