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Lights Out on the Playground / BATON ROUGE
火薬バカ一代 ★★★ (2018-07-17 23:35:20)
ジョン・サイクス、ジョン・ノーラム、マイケル・シェンカーといった凄腕ギタリスト達との仕事で知られるシンガー、ケリー・キーリングのキャリアの出発点となったバンドが、新たにサイド・ギタリストを加え5人組となって’91年に発表した2ndアルバム。
名作と評判の1st『SHAKE YOUR SOUL』は、グランジ/オルタナ・ロックを演っていそう不気味なジャケットの印象が悪過ぎて購入をスルーしてしまったため、我が家にあるBATON ROUGE作品は本作のみ。前作同様ジャック・ポンティがプロデュースを担当しているものの、よりへヴィに、そして時節柄ブルーズ色が強まった作風がイマイチ評判が宜しくないようなのですが、いやいや。ハイクオリティなアメリカンHR作品として、個人的にはかなり愛聴している1枚であります。
確かに⑫みたいなもろブルーズ路線の楽曲もありますが、ケリーのタメを効かせたエモーショナルな熱唱の効果もあって聴き応えは十分ですし、何よりこのバンドはソング・ライティングの腕前が非常に達者。特にヴァースはグル―ヴィに攻めておいて、一転コーラス・パートはキャッチー&メロディアスに展開させるサビメロ作りの巧みさが際立ちます。エネルギッシュなOPナンバー①、“TOKYO TIME”なるタイトルからして印象的な哀愁のハードポップ・チューン④、哀感漂わすヴァースから爽快にハジけるコーラスへ繋がるコントラストも鮮やかな⑦、躍動感溢れる⑥、アコギが美しいバラード⑩といった楽曲は、とりわけそうしたバンドの曲作りの黄金パターンが堪能できる逸品ではないかと。
是非、再評価をお願いしたくなる1枚であります。

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