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The Spectral Sorrows / EDGE OF SANITY
火薬バカ一代 ★★★ (2018-04-19 00:26:53)
「世界初のメロディック・デス・バンド」については諸説入り乱れているようですが、自分が初めて耳にしたメロデス作品は、間違いなくスウェーデンが誇る異能の才人、ダン・スウァノ率いるEDGE OF SANITYが'93年に発表したこの3rdアルバム。
それまでもGソロがメロディアスだったり、Key類をアクセント的に用いるバンドはチラホラいましたけど、本作の場合、ダウン・チューニングされ破壊的音色で刻まれるリフ、轟然と畳み掛けるリズム、響き渡る重低音グロウルとが荒れ狂う様は完全にデス・メタルそのものでありつつも、Gリフやコード進行といった楽曲の構造自体にハッキリとメロディの流れが聴き取れるという、まさに《デス・メタルとメロディ。出会う筈のなかった2人が出会ってしまった――》と昼メロ調のナレーションを入れたくなるぐらい、斬新な(もしくはコロンブスの卵的な)発想のサウンドを提示。そりゃ「その手があったか」と驚きますよ。
そして何よりも、本作は単純に曲がカッコ良かった。ただ斬新なだけで曲としての魅力に乏しかったら、その後のメロデスの隆盛はあったかどうか。寒々しく物悲しいメロディを纏い轟々と疾走する②、技巧とアレンジが凝らされた⑤⑦、バラードと呼びたい⑧、Gリフが「歌っている」⑨、ニュー・ウェーブ風の⑩等、収録曲はどれも創意工夫に富み、またMANOWARの名曲カヴァー⑥を演ることで、「デス・メタルとは別世界の音楽ではなく正統派HMとも地続きである」と知らしめてくれたことも結構重要ではなかったかと。(これ以降、デス系バンドによる正統派HMナンバーのカヴァーが一般化した感も)
ダン・スウァノの異形の才能が全編に亘りスパークしまくった、メロデス黎明期の名盤です。

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