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Marshall Law / OBSESSION
火薬バカ一代 ★★★ (2018-01-26 00:13:23)
看板シンガーのマイク・ヴェセーラを中心に再結成を果たして現在も活動中である、米コネチカット州出身のパワーメタル・アクトOBSESSIONが、オムニバス盤『METAL MASSACRE』シリーズ2作目への参加をきっかけにMETAL BLADE RECORDSと契約を結び、’83年に発表した4曲入りデビューEP。
今や押しも押されぬ実力派シンガーとして鳴らすマイクですが、この頃はまだまだ青さ全開。その彼の荒削りな歌唱を始め、安普請なプロダクションや未洗練の楽曲等、本作聴いてから日本デビュー作『狂気の方程式』(’88年)を聴くと「立派に垢抜けてまぁ」と感慨深くなること請け合いですよ。と、それぐらい全体がアングラ臭で分厚く覆われており、普段メジャー・アーティスト中心に音楽を楽しむ堅気のHR/HMリスナー衆には間違っても薦められた代物じゃありませんが、逆に、全くもってイケてないジャケット・イラスト(描き手の真剣さはいやっつーぐらい伝わって来るが致命的なまでに下手)を一目見て、ビビッとマイナー・メタル・アンテナが振れるような特殊性癖の持ち主なら必聴/必携の1枚かと。
実際、エッジの立ったGリフが鋭く刻まれるOPナンバー①、ダーク且つドラマティックに蠢く重厚な②、ツイン・リードGが劇的に駆け巡る③、これぞOBSESION!というGリフのカッコ良さで一点突破を図る④…と、収録曲はいずれ劣らぬ名曲揃い。アメリカのバンドらしからぬダークネスと湿ったドラマ性を帯びたサウンドを、多少強引でも迸る熱量は既に十分なマイクのVoと2本のGがパワフルに盛り立ててくれています。
OBSESSIONの最高傑作に本作の名を挙げるマニアの気持ちが分からなくもない1枚。

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