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World Demise / OBITUARY
うにぶ ★★ (2018-01-20 19:09:36)
デス/ドゥーム系メタルとしても魅力的ではありますが、'90年代のグルーヴィーなモダン・ヘヴィネス系バンドの一派として聴いても良さそうなアルバムです。
デスメタル的突進パートが減り、ミドル/スロー・テンポの圧殺リフのヴァリエーションは増え、遅くてもノリは良く味わい深いメタルに進化。比較対象を探すなら、PANTERAや『CHAOS A.D.』以降のSEPULTURAにも通じる空気があります。
まあ上記のバンドほどの軽快さはなく、鈍重な激烈サウンドに終始するところがデスメタルたる所以であり、オリジネイターならではの個性でしょうか。
十数年経ってから購入したので見当違いかもしれませんが、発表当時これって実は当時の最先端の音楽だったんじゃないでしょーか。'94年時点でトライバル・リズムも導入し、デスメタルの重々しさは保ちながらも、ジャンルの壁を突き破る開放感が強く感じられます。
アートワークも前作までのいかにもな邪神ホラー系イラストではなく、環境汚染や動物虐待、病苦や貧困といった社会問題を扱ったシリアスなものに。
疾走/爆走を求めれば外れですが、ヘヴィネスの極北を求める人には一つの理想形であると思います。
ジョン・ターディの声に触れていらっしゃる方が多いですが、こういう音楽性になると、ひと際、声の個性が目立って印象深いですね。
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