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Berserker / BEAST IN BLACK
火薬バカ一代 ★★★ (2018-01-08 23:37:45)
中心メンバーとして創作面を一手に担ってきたものの、民主化を求める他メンバーのクーデターに遭い新日…もといBATTLE BEASTから放逐されてしまったアントンが、「元気があれば何でもできる!」と発奮(違うアントンと混同した文章)。新たにWARDRUMのヤニス・パパドプロス(Vo)らと共に別団体を旗揚げし、’17年に発表したデビュー作。
バンド名は勿論、獅子をあしらったアートワークや、漫画『ベルセルク』を題材に取った歌詞まで、本作にはBATTLE BEAST時代を彷彿とさせるモチーフが山盛り。男臭いシャウトのみならず女性と聴き紛うソフトな歌い上げまで器用に使い分けるヤニスのVo、煌びやかでシンフォニックなKeyによる装飾、サブVoとして随所で濁声コーラスを噛ませて来るアントンの歌声とが相俟って、勇ましくドラマティック、それでいてキャッチーな正統派HMサウンドは、知らずに聴いたらBATTLE BEASTの新譜だと思うこと必定ですよ。
これは別にアントンが新しいことにチャレンジしたくてバンドを追ん出たわけじゃなく、他メンバーとの対立の末に解雇されてしまった経緯を考えれば実に自然なこと。寧ろ、新体制へ移行したBATTLE BEASTが今後一層の音楽性の拡散を予感させることを踏まえると、こっちのバンドこそがこのサウンド・スタイルの継承者なのかも…と、アントンの溜った鬱憤を晴らすかの如きシャウトからスタートするOPナンバー①、メタル版ABBAとでも言うべき②、高らかに響き渡る③、スラッシーなアグレッション迸る⑤、“THE FINAL COUNTDOWN”を彷彿とさせる⑨といった優れた楽曲の数々を聴きながら思った次第。
ただ、どうせならダンス・ビートはもちっと減らしてくれても良かったかなぁ、なんて。

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