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Symbol of Salvation / ARMORED SAINT
火薬バカ一代 ★★★ (2017-10-30 23:05:59)
'90年に入ってバンドのオリジナル・ギタリストだったデイヴ・プリチャードが白血病で死去。耐えがたい悲劇を前に「バンド解散も止む無し」といった諦めムードが支配的だったと聞くARMORED SAINTですが、昔からの友人であるMETAL BLADE RECORDS社長ブライアン・スラゲルを始めとする多くの人々のバックアップを受けて発奮。’91年にこの4thアルバムを発表しました。
ジョン・ブッシュの――好き嫌いは分かれるけど――特徴的な野太いVoと、フィル・サンドヴァル&ジェフ・ダンカンが織り成すツイン・リードGを基軸に展開されるサウンドは、これぞARMORED SAINT!という覇気に満ちた正統派HM。但し欧州由来の湿り気や疾走感、あるいは格調高いドラマ性といった要素は希薄で、それよりもへヴィでグルーヴィなノリが勝っている辺りはやはりアメリカン・パワー・メタル・バンドですなぁと。
個人的には、彼らの作品は好きな曲とそうでもない曲がハッキリと分かれるため、アルバム単位より楽曲単位で付き合うことが多いのですが(申し訳なし)、パワフルなOPナンバー①に始まり、死に直面したデイヴが綴った歌詞が涙を誘う劇的なエピック・チューン⑥⑦のメドレー、キレのあるパワー・ナンバー⑩、そしてデイヴが残したGソロがオリジナル・デモからフィーチュアされている⑫…と、テンション高い名曲が並ぶ本作は、ARMORED SAINTのカタログの中にあって1、2を争う充実した内容を誇っているのではないかと。
「デイヴ・プリチャードに捧げるに相応しいアルバムを作り上げたる!」という、メンバーの気迫の漲り具合に、聴いていて思わず背筋が伸びる思いの1枚ですよ。

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